秒速薬膳でアッという間に健康に

「陽」を補う赤貝・ネギ・ショウガでやる気を取り戻す

赤貝のネギ・ショウガごはん
赤貝のネギ・ショウガごはん(提供写真)

 なんだかやる気が出ない。期待を一身に受けた仕事ですら、取り掛かるのもおっくう……。そんなときはまず、食べているものを見直すことをおすすめします。

 チェックしたいのが「陰と陽のバランス」です。中医学では陰陽学説といって、この世にあるすべてのものは、陰と陽に分かれるという考え方があります。健康な体を維持するためには、陰陽のバランスが取れた「陰陽平衡」の状態であることが大切。

 どうも気力が湧かない、動きたくない、なんだか暗い気分……というときは、普段の食事が「陰の食材」に偏り、体が陰に傾いた状態である場合が多いのです。

 すべての食材も陰と陽、そしてどちらでもない中庸に分かれています。

 陽の食材は体を温め、陰の食材は冷やして潤いを与える特徴があります。代表的な陽の食材として、野菜はネギ、ニラ、ショウガ、ニンニク。肉は羊肉、牛肉。魚介類はエビ、赤貝、ナマコ。そのほか栗、クルミ、シナモン、コショウ、黒砂糖、紅茶などが挙げられます。

 一方、陰の食材として、野菜ではトマト、キュウリ、大根。肉は豚肉。魚介類はアサリ、カキ、そのほかフルーツ全般、豆腐、緑茶などがあります。

 また、米、イモ類、豆類、キノコ類、キャベツなどはどちらでもない中庸に属します。

 陽の食材が足りないとやる気が出ない、冷える、疲れやすくなる傾向があります。陰に偏ると、まさに「陰気」になってしまうのです。陽の食材は、いわば「やる気スイッチ」! 取り入れることによって、パワフルで前向きに活動できるのです。

 また、朝からやる気モード全開にするには、朝食で陽の食材を摂取するのがおすすめ。時間も陰陽に分けられます。

 昼は陽、夜は陰の時間。陽がスタートする朝のタイミングで、ネギ多めの味噌汁や、シナモンをふった紅茶などを取り入れると、エンジンがかかり気合が入りやすくなるのです。この方法は、冷えが気になる人、低血圧の人にも効果的なテクニックです。

 一方、食事が陽の食材に偏り、体が陽に傾いているときは、落ち着きがない、怒りっぽい、のぼせるといった症状が起きやすくなります。この場合は、もちろん陰の食材を取ってバランスを取るようにしましょう。

 ちなみに不登校の子供は陽の食材が不足し、キレやすい子供は陰の食材が不足している傾向があるので、食事に注意を。

■赤貝のネギ・ショウガごはん

 赤貝は、陽を補うとともに血を増やし、巡らせる働きを持つ健康効果の高い貝です。味付き缶を使い、同じく陽を補うネギ、ショウガをプラスしたお手軽薬膳レシピ。

 ラー油の風味で赤貝がよりおいしくいただけます。

【材料】
●赤貝味付き缶(150グラム) 1缶
●白すりごま 小さじ1
●ラー油 少々
●刻みネギ/紅ショウガ 適量
●ごはん  茶わん2杯分

【作り方】
 茶わんにごはんを盛り、赤貝缶の身をのせ、ラー油をふる。白すりごまをふって刻みネギを散らし、紅ショウガをのせる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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