「マスク熱中症」を防ぐ正しい使い方 気温上昇でトラブル増加

夏、マスクの内側は40度を超えることも(C)日刊ゲンダイ

「ずっとマスクを着けていると、マスクの内側の温度は40度を超すこともあります。新鮮な空気を吸い込む際も、温かくなっているマスクを通過するため空気は暖まってしまう。さらに吐く息がマスクを温めるので次に吸い込む空気にも熱が加わって温度が上昇します。われわれは主に鼻呼吸で脳を冷やしています。鼻腔の奥には脳とつながっている毛細血管がたくさん通っていて、鼻呼吸によって冷たい空気を通過させることで効率良く脳を冷却しているのです。それがマスク着用で冷えた空気を吸い込めない状態になると、脳の温度が上昇して自律神経中枢がうまく働かなくなり、体温がコントロールできなくなって熱中症を招いてしまう危険があります」

 体に熱がたまって起こる熱中症は、目まい、吐き気、頭痛、けいれん、意識障害などさまざまな症状が表れる。重症度はⅠ度~Ⅲ度に分類され、Ⅱ度=中等度以上になると頭痛が起こる。

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