人生に勝つ性教育講座

インテリのヘンリー8世を暴君にしたのは「梅毒」だった?

ヘンリー8世の甲冑(C)PIXTA

 では、なぜヘンリー8世の妻たちは流産することが多かったのでしょうか?それはヘンリー8世が梅毒に冒されていたからといわれています。若い頃にフランスで罹患したと言われています。実際、3番目の妻はヘンリー8世が心待ちにした王子を生みますが、王子は先天性梅毒のため16歳で亡くなっています。自身も晩年は脚の腫瘍などさまざまな病に苦しんだようです。

 一般的には暴君とされるヘンリー8世ですが、実はイングランド王室史上最高のインテリとも言われ、ラテン語、スペイン語、フランス語を話し、作曲家や文筆家としても活躍。スポーツも得意で馬上槍試合や狩猟などもこなしたと言われています。時代を代表する建築物を作り、華やかな宮廷文化を作りあげたヘンリー8世を残忍な暴君にしたのは「梅毒」だったのではないでしょうか。若いからと奔放な生活をしていると人生の勝ち組にならないとということでしょう。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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