名医が答える病気と体の悩み

リウマチは最新治療薬で完治できるのか…薬はやめられる?

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 次に、メトトレキサートで効果が不十分な方や使えない方は、他の飲み薬を追加したり、「生物学的製剤」または「JAK阻害薬」を処方しています。生物学的製剤には炎症を悪化させるサイトカイン(IL―6、TNFα)の働きを妨げるもの、T細胞の働きを抑えるものの3種類の薬があります。サイトカインとは体のバランスをとるためのタンパク質ですが、関節リウマチの患者さんの関節の中では炎症を引き起こすタイプのサイトカインが増えすぎることで、免疫の細胞が関節の中で暴れています。3種類の薬はいずれも注射による投与で、投与の間隔は薬の種類によって、週2回から2カ月に1回と異なります。

 また「JAK阻害薬」のJAKとは、サイトカインの情報を細胞内に伝えるために働く酵素群(キナーゼ)のひとつ、ヤヌスキナーゼ(Janus kinase)の略称です。JAK阻害剤はリウマチに関係する複数のサイトカインの情報が細胞内に伝わるのを阻害して、炎症を抑える働きをしています。どの治療薬も結核や肺炎などの感染症には注意が必要で、定期的に診察を受けることが大切です。月々の自己負担額は2万~4万円程度と高額になりますが、最近では生物学的製剤の後発品も登場しており、先発品の6割(2万円前後)の薬剤費となっています。残念ながらリウマチはまだ完治はできません。しかし、最新治療薬を継続していくことで、痛みや骨の破壊などをかなり抑えることができ、今まで通りの生活に近づくことができるようになってきています。

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