コロナ第4波に備える最新知識

新型コロナワクチンで抗体がつきやすい人、つきにくい人

64歳以下のワクチン接種が始まったが
64歳以下のワクチン接種が始まったが(代表撮影)

 新型コロナワクチンの64歳以下への接種がいよいよ始まった。気になるのは、どんな人に抗体がつきやすいのか、つきにくいのか、と副反応だ。そこで、これまでの日本人のワクチン接種から明らかになった、それぞれの特徴を整理してみた。

■20代女性は60代男性の2倍の抗体を獲得

 千葉大学病院が職員1774人に対して、ワクチン接種前と2回接種後での抗体量を調べたところ、99・9%とほぼ全員がウイルスと闘うに十分な量まで増やしていたことがわかった。

 ただし、抗体は年齢や生活習慣でつきやすさが異なることが明らかになった。抗体がつきやすいのは「女性、若い、新型コロナ感染者、花粉症薬などの抗アレルギー薬の内服あり」で、つきにくいのは「年配、男性、お酒好き、免疫抑制剤・副腎皮質ステロイド内服あり」だった。

 実際、千葉大の調査では20代女性と60代男性とでは抗体量が2倍近く違っており、新型コロナ感染歴のある人の方が接種後の抗体量が多いことがわかった。

 また、毎日飲酒する人は、まったく飲まない人に比べて20%も抗体量が少なかった。

 では、接種からどのくらいで感染防御機能は高まるのか?

 国立感染症研究所の「新型コロナワクチンBNT162b2(Pfizer/BiоNTech)を接種後のCOVID―19報告率に関する検討」(第1報)によると、1回目の接種を終えた医療従事者のうち、接種後に新型コロナ感染が判明したのは281人。1回目の接種日からどれくらいの期間で感染したかを調べたところ、0~13日が181人、14~20日が41人、21~27日は34人、28日以降は25人と接種から2週間ほどで感染を抑える効果が生まれることがわかった。1回目接種から2週間は用心した方がいい。

■2回目接種から30日後には中和活性が40%減

 ただし、それが長続きするのかは不明だ。国立国際医療研究センターがメディア向け勉強会で明らかにしたファイザー製ワクチンの接種後の中和活性の変動や抗体価の動きによると、2回目の接種から7日後の中和活性は1回目のそれよりもほぼ8倍上昇したものの、2回目接種から30日経つと多くは中和活性は低下し、平均で40%減少していたという。医療従事者223人を対象にした研究結果だ。むろん、これは途中経過でハッキリしたことは言えないが、ワクチンを2回接種しても、その後も打つ必要があるかもしれない。

■副反応は若い女性に多いが心筋炎は若い男性

 気になる副反応はどうか。今月9日の厚生労働省の専門部会に提出された、5月30日までの副反応の累積数は2万5032件。副反応で多いのは順に、発熱3724件、倦怠感2425件、頭痛2256件、アナフィラキシー反応1247件、関節痛960件、悪寒942件、疼痛884件、悪心・嘔吐794件、そう痒症630件、ワクチン接種部位疼痛613件、紅斑530件、蕁麻疹475件、異常感426件、筋肉痛424件、発疹407件、浮動性めまい401件など。

 男性より女性に出やすく、ファイザー製ワクチンデータでは男性1911件(うち重篤249件、死亡59件)、女性8728件(同1007件、63件)。年代別で見ると40代、30代、20代、50代の順で多いが、接種数を考えると若い人ほど副反応が出る確率が高い。なお、心筋炎は若い男性に多いことがわかっている。

関連記事