セックスが痛い

初体験=痛い?不安につけ込むアカウントやサイトに注意

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 先日、自分のSNSが「処女卒業サポート」と名乗るアカウントからフォローされていることに気づきました。調べてみると似たようなアカウントやサイトはネット上に複数あり、共通しているのは、「僕たちがサポートすることで“痛みなく”処女を卒業できますよ」をうたい文句にしていること。

 初体験は痛いと想像してセックスできない、またはセックスを試みたが性交痛で最後までできず処女のまま――といった女性を主にターゲットにしているようです。

 セックスへの痛みの不安に寄り添う巧みなメッセージは、悩んだり焦ったりしている女性なら、頼りがいがあるものに感じ、足が向いてしまうかもしれません。しかし、よく考えたら、知らない人とセックスをする、ただの勧誘です。

 こういった怪しい“サポート”に吸い込まれないようにするには、処女は恥ずかしいものという誤った考えを捨てること。セックス経験の有無で、その人の価値は変わらないのです。

 経験を口外する必要もありませんし、しつこく聞いてくる相手には「プライバシーは話さない」と伝えればいい。それでもしつこい場合は、「済んだ」とウソを言うほうが、見知らぬ男性と焦ってセックスするより、ずっといいです。

 不十分な性教育でセックスのことをよく知らなくて、きっと不安なことでしょう。ネットには誤った情報もたくさんあるから、悩んでしまうのは特別ではないのです。そもそも初体験は、痛くない人、血が出ない人もたくさんいます。

 処女膜は膜ではなく、“薄いヒダ”です。ヒダに囲まれて、穴があります。生理の血も出てくるし、タンポンも入ります。激しい運動や初体験で切れることもある。またヒダは性的に十分に興奮すると、よく伸びます。

 セックスする相手ができたら、自分の不安も含めて話し合い、できるだけゆっくり進めて心と体の準備が整えば、過剰な心配はいらないのです。それでも、もし何度もトライしたけど怖くてできない、痛くて仕方がない場合は、婦人科や女性性機能外来を受診してみてください。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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