医者も知らない医学の新常識

アミノ酸の取り過ぎが糖尿病の原因に ホルモン専門誌が指摘

写真はイメージ(C)PIXTA

 疲労回復のために栄養ドリンクを飲む、という方はかなり多いと思います。栄養ドリンクにもいろいろな種類があり、その成分はさまざまですが、入っていることの多い成分の一つが「L―アルギニン」です。

 L―アルギニンは体に必要なアミノ酸の一種で、疲労回復の他に血管を広げて血流を良くしたり、集中力を高めるような作用もあるといわれています。鶏肉や豚肉、大豆製品に多く含まれていて、大人では1日4~6グラムが適切な摂取量と考えられています。

 このように、体にとっていいことずくめのL―アルギニンですが、実はちょっと心配な情報があります。「1日9グラム」という多めの量を半年間継続すると、死亡リスクや心筋梗塞になる危険が高まるという報告があるのです。L―アルギニンは成長ホルモンを上昇させます。この性質は成長期のお子さんにとっては良いことなのですが、大人にとっては血糖を上昇させるような悪い影響も考えられるのです。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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