■浅い呼吸は自律神経を乱す
では、前かがみの姿勢が基本姿勢になってしまうと、どうして体の不調の原因になるのか。
「呼吸するときに働く筋肉の中でも特に重要なのが、肋骨と肋骨の間にある『肋間筋』と、肋骨の下にあるドーム状の筋肉の膜である『横隔膜』です。前かがみの姿勢になると、横隔膜の動きが制限されてしまい呼吸が浅くなるのです。そして横隔膜を使えない浅い呼吸の最大のデメリットは、自律神経をコントロールできなくなることです」
自律神経を自分の意思でコントロールできる唯一の方法が、横隔膜を使った呼吸法(腹式呼吸)。つまり、肩甲骨が硬くなると自力で自律神経を整えることができなくなるため、体の不調を引き起こしやすくなるのだ。
浅い呼吸を調べるチェック法がある。①静かに鼻から息を吐いたあと息を止める。②そのまま息をしたくなるまでの時間を計る。息を止めていられる時間が30秒以上なら呼吸は浅くなっていない。30秒未満なら呼吸が浅く、肩甲骨も硬い可能性がある。
病気を近づけない体のメンテナンス