そうなると、増え続ける高齢者の社会保障費を、誰が負担するのかが大きな問題になってくる。政府は75歳以上の医療費の窓口負担を2割に引き上げたばかりだが、それだけでは到底間に合いそうもない。総選挙で自公が勝とうが野党連合が勝とうが、早晩3割負担になることは避けられないだろう。それどころか高齢者福祉の予算を大幅に削る可能性が高い。
「貧乏人の子沢山」という言葉があるが、コロナ禍の最中、日本は「老人ばかりの貧乏国家」への道を突き進みつつある。子沢山な家庭は未来に希望が持てるが、老人ばかりの国に明るい未来は来るのだろうか。少なくとも、経済を支える新しい産業が生まれてくる可能性は低そうだ。
それだけでは終わらない。婚姻数も激減した。昨年結婚したカップルは約53万8000組で、一昨年(61万6000組)と比べてなんと12.7%も減った。コロナが収まるまで結婚を延期しようというカップルが多かったのかもしれないが、景気悪化の影響もあって結婚自体を諦めた、あるいは結婚する気がなくなった、という人も大勢いたのではないだろうか。このままでは男女とも生涯未婚率がさらに上昇し、「おひとりさま」だらけの社会になるのは避けられそうもない。
新型コロナ禍で何が起きているのか