男性不妊症のすべて

自転車に長時間乗ることが不妊症の原因になるって本当?

街乗り程度なら大丈夫(C)PIXTA

 最後に自転車に関しての報告です。コロナ禍でそれまで電車通勤だったのを自転車通勤に変えた方や、健康のために自転車に乗り始めた方もいるかと思います。これから紹介するサイクリングは、日本でいう“ママチャリ”ではなく、ロードバイクをイメージしてください。

 ロードバイクは乗らない人にはピンとこないかもしれませんが、ヘルメットとサングラスを着用し、ピタッとしたサイクルジャージを着て、“レーパン”と呼ばれる膝上までのピタピタのレーサーパンツを履いて乗る乗り物です。ビンディングシューズといってペダルとシューズが器具で一体化できることもあり、ママチャリとは比べ物にならないスピードで走ることができます。

 ロードバイクを始めた頃は誰もが経験すると思いますが、お尻が非常に痛くなります。乗る姿勢ができていないことや、サドルが新しくて自分の形にフィットしていないのも原因です。プロのロードレーサーは、長年使用しているサドルが傷んできたら表の革を張り替えて使っている選手もいるくらいサドルにはこだわります。また、慣れてくるとサドルにドカッと乗るのではなく、手足に体重を分散させた乗り方になるため、あまりサドルに体重を預けるというイメージではなくなり、長時間乗ってもお尻が痛くなりません。

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小林秀行

小林秀行

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

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