以上の流れを見ると、第1波(昨年4~5月期)こそ医療費(=医療全体)は比較的大きな影響を受けたが、それ以後は国民も医療機関もしっかりと感染対策をしつつ、通常の診療を継続していた事実が透けて見える。もちろんコロナ患者受入病院では、連日厳しい戦いが続けられていたわけだが、そうでない普通の医療機関では、いつも通りの普通の医療が行われてきたし、大半の患者が普通に入院や通院を続けていた、ということである。
コロナ禍でも、日本の医療は意外と頑強で、国民のニーズによく答えてきたと言っていい。われわれはこのありがたい状況に深く感謝しないわけにはいかないだろう。
新型コロナが流行する前にインフルエンザは大幅減少していた
- 2021年06月27日
「小児科」26.6%、「耳鼻科」21.7%と医療費が大激減
- 2021年06月29日
永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。