新型コロナワクチンの疑問に答える

無症状の感染患者が接種しても問題ないのか 悪化はしない?

英国でも若い人の接種がカギに(C)ロイター

 ファイザーやモデルナ社のmRNAワクチンは遺伝子情報をもとにしたワクチンだから、生ワクチンなどに比べればリスクは低いとされる。

【Q】世界での主流は「デルタ株」になっている。感染が再拡大している英国の国家統計局の統計(6月12日時点)によると人口の540人に1人が感染していて、そのほとんどがデルタ株によるものだという。デルタ株にワクチンはどう対応すべきか?

【A】「デルタ型、従来型、アルファ型(イギリス型)の3つの型の遺伝子情報を混合してワクチンをつくれば、ほぼ収束に向かってくると思われます。理論的には最も簡単な方法で、メーカー側もおそらく多くの症例を検討できるインドなどでそのⅢ相の臨床試験をやっていると考えられます。ウイルス感染症が減るほど、新たに発生する変異型も確率的には減少していくので、勢力は衰えると思います」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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