進化する糖尿病治療法

予備軍の中でも脳卒中・心筋梗塞のリスクがより高い人は?

写真はイメージ

 この検査で、食後の血糖値の上がり具合、インスリンの分泌はどうかなどを調べることができます。

 日本人は欧米人と異なり、食後の血糖値が高い人が多いといわれています。だから食後の血糖値のチェックはとても重要なのですが、一般的な健診では空腹時血糖値しか見ません。だから、食後の血糖値が高くても「異常なし」となってしまうこともあり、かつては「隠れ糖尿病」とも呼ばれていました。

 糖尿病予備群とはいえ糖尿病が確定していない人では、75グラム経口ブドウ糖負荷試験を受けるのは、現実的ではないでしょう。半日は会社を休んで行かなくてはなりませんからね。

 食後の血糖値がどうかを調べるには、持続自己血糖測定器(商品名リブレ)を購入して測ってみるのが、一番手っ取り早いと思います。自分自身で操作して血糖モニタリングを行える機器で、インターネット上でも手が出やすい値段で販売されています。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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