医者も知らない医学の新常識

食事を変えると片頭痛が減る 海外一流医学誌が論文報告

写真はイメージ
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 片頭痛に悩んでいる方は多いと思います。片頭痛というのは頭の片側に起こる発作性のズキズキとした痛みで、脳の神経の部分的な炎症により起こるといわれています。発作の前には目の前にギザギザした光が見えたりするような前兆が起こることがあり、発作は吐き気などを伴うこともあります。神経の炎症を抑える働きを持つトリプタンという薬が使われていますが、効果のない人もあり、また非常に高価な薬である点も問題です。

 実はこの片頭痛は食事と関係があり、食事を変えることで片頭痛が減ることが、最近注目されています。頭痛につながる神経の刺激は、血液の脂肪に影響されます。特に頭痛に影響を与えるのは、オメガ6系脂肪酸と呼ばれる成分で、その代表のリノール酸はコーン油などの食物油に多く含まれています。

 その一方で、神経の炎症を抑えるような働きをしているのがオメガ3系脂肪酸と呼ばれる成分で、その代表はEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です。こちらは青魚の油の成分として有名です。

 今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という一流の医学誌に発表された論文によると、EPAとDHAを増やし、リノール酸を減らす食事により、頭痛発作の回数を月に4日減らす効果が見られたのです。食事には薬に匹敵する片頭痛予防効果があるようです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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