人生に勝つ性教育講座

「梅毒」がシューベルトを歴史的な有名作曲家に変えた?

ウィーン市立公園のフランツ・シューベルト像

 シューベルトは厳格な教育者であり音楽愛好家だった父親と、料理人だった母親の12人目の子供として生まれます。家は裕福ではありませんでしたが、父親の手ほどきで5歳から音楽を始め、才能が開花。宮廷礼拝堂聖歌隊員に抜擢され、帝室寄宿制神学校へ進学します。

 しかし音楽に没頭するあまり、学業の成績が振るわず退学。その後はシューベルトの音楽的才能を惜しむ人の援助に恵まれます。中心になったのは「シューベルティアーデ」のメンバーです。シューベルティアーデとは、シューベルトの仲間たちの部屋で彼の音楽を中心に芸術に関して語り合うサークルのことです。 シューベルトがピアノを弾き、宮廷歌劇場の歌手・フォーグルが歌い、友人たちは合唱に参加したと言われています。メンバーの中にはシューベルトを下宿に居候させたり、五線紙を買い与えたりする人もいました。そのおかげで、シューベルトは音楽を続けていくことができたのです。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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