新型コロナ治療はここまで進んでいる 臨床にあたる医師に聞いた

変異株出現のインドでも懸命な治療が続いている(C)ロイター

 さらに、下肺野(肺の下部)に炎症が認められ、低酸素血症を来している患者には、抗ウイルス薬の「レムデシビル」が同時に使われる。

「現在、入院が必要だと判断される患者さんはほとんどがレムデシビルが適用になる状態で、その場合はさらにリウマチ治療薬の『バリシチニブ(一般名)』も併用します。こちらは、トシリズマブとは作用機序が異なるJAK阻害薬と呼ばれる薬で、過剰な免疫反応を抑制する働きがあります。海外ではバリシチニブの使用によって新型コロナウイルス感染症の死亡者が35%減少したという報告があります」

 入院が必要な新型コロナ患者には、トシリズマブ、レムデシビル、バリシチニブが投与され、さらに血栓の形成によって起こる合併症を予防するため血液をサラサラにする抗凝固療薬も使われている。

■ステロイド薬を投与するタイミングが重要

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