不妊を専門とするクリニックを初めて訪れたAさん夫婦は、「不妊治療にはどんな治療方法があるのかまったく知りませんでした」とのことでした。特に「体外受精」は一度は言葉を耳にしたことはあっても、実際にどんな治療をしているのかご存知である方は少ないのではないでしょうか。
体外受精には大きく5つのステップがあります。1つ目は卵子を育てる「排卵誘発」、2つ目は実際に卵子を回収する「採卵」、3つ目は採れた卵子と精子による「受精」、4つ目は受精卵を発育させる「培養」、5つ目は発育した受精卵(胚)を子宮に戻す「胚移植」です。
自然の月経周期では卵子は最終的には1つしか育ちません。そこで体外受精では、卵子を育てるために排卵誘発剤と呼ばれる内服薬や注射薬を使用することにより、複数の卵子を育てます。自然周期での採卵を行っているクリニックもありますが、卵子1個を回収して受精卵を作り、それを戻すというやり方では効率が悪く、費用もかかります。そのため排卵誘発剤を使用し、なるべく複数の卵子が獲得できるようにします。
女性の不妊治療で何が行われているのか