医者も知らない医学の新常識

新型コロナで痛風が増える? 医学誌ランセットも関連性を報告

在宅ワークが増えたり、家にいる時間が長くなった
在宅ワークが増えたり、家にいる時間が長くなった

 新型コロナウイルス感染症は、まだ治まる様子がありません。昨年からこの新型コロナのために、私たちの生活は大きく変わりました。そして、おそらくはその影響で、今確実に増えている病気が痛風です。

 痛風というのは尿酸が体にたまり、足の指などの関節に強い炎症を起こす病気です。この痛風の患者さんが昨年からとても増えているのです。

 私のクリニックでも、それまでの3倍くらいの患者さんが、痛風の痛みを訴えて受診をされています。それも、痛風結節といって関節が変形して腫れあがる、重症の発作を起こす人が多いのです。

 なぜ痛風は増えているのでしょうか?

 新型コロナの流行以降、外出を控える人が増え、仕事も家ですることが多くなりました。痛風になりやすい人は、もともと内臓脂肪が多く、運動量の少ない人が多い。

 新型コロナの影響で更に運動量が減り、家にいる時間が長いと間食も増えるので、内臓脂肪はより多くなり、痛風発作が起こりやすい状態になっていると考えられるのです。

 今年のランセットという一流の医学誌に、痛風と新型コロナウイルス感染症との関連が解説されています。それによると、痛風は肥満や心臓病など、新型コロナの重症化リスクと強い関連があるのです。運動や健康的な食事を心がけることは、痛風を予防するばかりでなく、新型コロナの重症化予防にもなるようです。)

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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