ワクチン接種後の心筋炎は日本でどのくらい起きているのか

新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける若い男性(スペイン)/
新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける若い男性(スペイン)/(C)ロイター

 世界保健機関(WHO)は9日、新型コロナウイルスのファイザー社製、モデルナ社製などのmRNAワクチン接種と「非常にまれ」に起こり得る心筋炎と心膜炎には「因果関係が存在する可能性」があるとの見解を発表した。

 欧州医薬品庁(EMA)も同日、同様な見解を表明。接種後14日以内に発症する事例が多く、若い男性の間で2回目の接種後に発症する傾向があると報告した。欧州では、5月末までに心筋炎122件、心膜炎126件が発生している。

 米国では先月23日、米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会が、11日までに1226件の心筋炎、心筋症の発生があったことを確認し、接種との関連があるとの見解を示している。ただし、いずれも発症はまれだとして接種を推奨している。

 日本ではどうか? 厚労省が今月7日に開いた専門家による新型コロナワクチンの副反応を検討する合同部会では、6月27日までに発症したファイザー社製の心筋炎12件、心筋症8件の計20件(1事例では心筋炎、心筋症の2件発症)、19事例を報告した。

 年齢別では、40歳未満が9件8事例(男性8、女性1)、40~65歳未満4事例(男性1、女性3)、65歳以上7事例(男性4、女性3)。モデルナ社製は65歳女性1事例が報告されている。

 なお、6月27日までの推定接種回数はファイザー社製3921万8786回、モデルナ社製95万9165回とされる。

 厚労省は「海外の報告と同様、1回目よりも2回目接種後の報告例が多く、若年の男性で多い傾向にある。若年男性に係る報告事例では、全例、軽快又は回復が確認されている。正確な比較は困難であるが、若年の男性においては、非接種者における発現頻度に比べ、接種者における発現頻度が高い可能性があるが、前回審議会時点以降報告頻度に大きな変化はない」としている。

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