新型コロナワクチンの疑問に答える

3回目接種のブースターは意味があるのか 抗体が強化される?

国民6割が2回接種も3回目を予定(イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ前首相)/(C)ロイター

 米製薬大手ファイザー社は今月、2回の接種を済ませた後の6~12カ月以内に3回目の接種が必要になることを示唆した。効果が落ちるためで、実際、人口の6割が2回の接種を終えたイスラエルでは、変異株による感染拡大を受けて、成人を対象に同社製のワクチンの3回目の接種を始めると表明している。

 米ファウチ大統領首席医療顧問は、ブースター(追加免疫)について「不要」としているが、イスラエル保健省は、ファイザー製ワクチンの発症予防効果が94%から64%に下がったと研究結果を公表した。

【Q】3回目のブースターは意味があるのか?

【A】「免疫学の観点からすれば、ブースターによって抗体を主とする免疫が4~5倍高まると考えられます。ただし3回目は、これまでの2回と作製方法が異なるワクチンを打つ方が効果と報告されています。同じメーカーのワクチンでは抗体ができているので、新規のワクチンを接種する方が高い効果が得やすい」

1 / 3 ページ

奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

関連記事