新型コロナワクチンの疑問に答える

3回目接種のブースターは意味があるのか 抗体が強化される?

国民6割が2回接種も3回目を予定(イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ前首相)/(C)ロイター

 一方、違うワクチンを打つデメリットはない。英国の「Com―Cov臨床試験」に関する研究結果によると、ファイザー製またはアストラゼネカ製のワクチンを2回接種した人も両ワクチンを1回ずつ打った人も、すべての組み合わせで十分な免疫が作られることが分かっている。

【Q】ファイザー製やモデルナ製のmRNAワクチンを2回接種した日本人の3回目は、どこのメーカーがいいのか?

ファイザー製やモデルナ製のmRNAワクチンを2回接種した日本人の3回目は、どこのめーかーがいいのか?

【A】「国内で承認され、現在審議中ですが、学術的にはアストラゼネカ社のウイルスベクターワクチンを追加免疫することで高い効果がみられると考えます。すでに論文も出ています。アストラゼネカ製のワクチンは免疫原性(抗原などの異物が体内で免疫応答を引き起こすこと)が強く、抗体を強化するのに適しています。もし、国内産を考えるなら、22年度中の実用化を進める第一三共と東大医科学研究所が開発したmRNAワクチンでしょう。同じmRNAでもファイザー製やモデルナ製と違い、スパイクタンパク質全体ではなく、そのうちのヒトの細胞に結合する部位のみのmRNAを使っているようです」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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