みなさんは「プレコンセプションケア」という言葉をご存じでしょうか。欧米から広まり、現在は日本でもその重要性が唱えられてきています。プレコンセプションケアとは「妊娠する前から、元気な赤ちゃんを授かるために自分の生活や健康を見直していきましょう」という考え方です。
「喫煙をやめる」、「過度な飲酒を控える」、「健康的な体重を維持する」といったことが妊娠を考える上で大事だということは容易に想像できると思います。しかし、実はそれだけでは足りていないのです。
たとえば、ホウレンソウなどの野菜に多く含まれている葉酸は、神経管閉塞異常という赤ちゃんの病気の発症予防に効果があるとされています。欧米では小麦粉に葉酸を混ぜて販売するなど、食品に添加することで神経管閉鎖異常児の発症を減少させることに成功しています。しかし日本では増加傾向にあり、その数は実に米国の8倍にも及んでいるのです。
女性の不妊治療で何が行われているのか