人生に勝つ性教育講座

ルネサンス期の“3大巨匠”ラファエロの悲恋と瀉血療法

バチカン美術館「ラファエロの間」/(C)PIXTA

 中世ヨーロッパで「梅毒」の犠牲となったと言われる芸術家は、ベートーベンやシューベルトといった作曲家だけではありません。レオナルドダヴィンチ、ミケランジェロと並ぶ盛期ルネサンスの3大巨匠に数えられるラファエロもそのひとりと言われています。37歳の短い生涯で120点以上の作品を残した天才芸術家で、優美で女性的な作品が多く「聖母子像」は有名です。

 イタリアの都市国家ウルピーノの宮廷画家の息子で、8歳のときに母が、11歳のときに父が他界。その後、ペルージャに出てヴァチカンやシスティーナ礼拝堂の壁画を担当したペルジーノに師事します。フィレンツェに滞在した後、ローマに出てローマ教皇に支持されヴァチカン宮殿の「署名の間」の壁画を担当。「アテナイの学堂」「聖体の論議」など数々の名作を世に送り出します。

 また、ラファエロは50名を越える助手や弟子を抱える工房を率いており、絵画制作だけでなく、サンピエトロ大聖堂の主任建築家でもありました。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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