「多発性硬化症」ってどんな病気? 再発と寛解を繰り返し…

多くは20代で発症(C)日刊ゲンダイ

■新薬の効果に期待

 リンパ球の働きを抑制してMSの再発・進行を抑制しつつ、病原体を攻撃するのに必要なリンパ球の働きを残した安全な薬の登場――。これがMS治療の今後の課題だが、5月に発売された「ケシンプタ」は、従来薬よりPMLのリスクが低く、その効果に期待が寄せられている。

「ケシンプタは、B細胞の表面に発現するタンパク質CD20を標的とし、B細胞を減少させます」

 リンパ球には、T細胞、B細胞、NK細胞などがある。多発性硬化症では、T細胞が活性化して自己免疫反応を生じ、髄鞘を攻撃している。

「一方、B細胞の働きは解明されていない部分も多いのですが、MSにおいては、B細胞を除去するとT細胞の活性化が抑えられ、炎症が鎮まり、MSの進行を抑制することができます」

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