医者も知らない医学の新常識

糖尿病の人はダイエットすれば薬を減らせる 専門誌に論文掲載

写真はイメージ(C)PIXTA

 糖尿病は生活習慣病の代表です。全身の血管に影響を与えるので、動脈硬化も進行して、高血圧にもなりやすいという特徴があります。そのため、糖尿病の患者さんは血糖を下げる薬ばかりでなく、血圧を下げる薬も一緒に飲むことが多いのです。

 イギリスの研究では、半分以上の糖尿病の患者さんは高血圧の薬も飲んでいる、という統計があるようです。ただ、患者さんにとっては、薬が増えることはお金もかかりますし、薬を飲んでも治っているという実感はないのでストレスに感じることも多いようです。

 それでは、薬を減らす良い方法はないのでしょうか? 糖尿病も高血圧も、内臓脂肪が増えることがその大本の原因のひとつです。肥満は糖尿病と高血圧の両方の原因でもあります。それでは、肥満を改善することで、高血圧も改善するのでしょうか?

 今年の「ダイアベトロジア」という糖尿病の専門誌に、糖尿病の患者さんにダイエットをしてもらい、血圧に与える影響を検証した論文が掲載されています。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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