その後しばらくして、旦那さまから届いたお手紙をご紹介します。
「妻の末期医療において、貴院のスタッフ、先生にはお世話になり深く感謝申し上げます。小生、正気に戻るのにひと月もかかってしまい、昨日息子から、四十九日も納骨の手配も万事終えたので、喪主としてしゃんとしてくれ、と言われ自らに檄を飛ばしてようやく覚醒した次第です。妻が余命1年と宣告された直後に小生に向かって、優しい笑みを浮かべながら『85歳まで生きたのだから、これでいいわ』と言ったことが強がりでなく、本音であったことを、先生やスタッフの皆さんと交わす会話の中で見せたほほ笑みで確証しました。その笑みに私がどれほど救われ、そして冷静さを保つことに役立ったかとても言い尽くせません。改めて御礼申し上げます」
たとえ病院での積極的な対処が終了しても、それは医療のゴールではありません。その人らしく暮らしていくための支えは最期まで必要なはず。在宅医療がそんな支えになることを目指しています。
最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと