独白 愉快な“病人”たち

ずっと震えていた…歌手の黒木じゅんさん急性膵炎を振り返る

黒木じゅんさん(C)日刊ゲンダイ

 それでも、担当医に「いや、今日は仕事が……」と言いかけると、「死ぬ気ですか?」と言われ、披露宴への出演はキャンセルを余儀なくされました。

 急性膵炎の死因の大半は脱水と痛みによるショック死だそうで、すぐに点滴で水分が補給され、別の管で炎症を抑える抗生剤の点滴も始まりました。これが退院する日まで40日間、24時間態勢でずっと続いたのです。

 最初の10日間は、痛みで七転八倒しました。寝返りを打とうものならハンパなく痛いですし、じっとしていてもズキンズキンと脈を打つ痛みがあり、寝ることもできません。どうにもガマンできないときは鎮痛剤のモルヒネを打ってもらいました。モルヒネを打つとウソのように痛みが治まって、その間だけ眠れるのです。その気持ちいいことと言ったら!(笑い)。でも、数時間でまた痛みがぶり返します。強力な痛み止めなので何度も打てないと聞きましたが、2~3回は打ってもらったと記憶しています。

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