ワクチン接種後「死亡事例751件」厚労省が21日の副反応検討部会に報告 前回から195件増

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写真はイメージです(C)show999/iStock

 厚生労働省は21日、新型コロナワクチン接種後に死亡した事例が16日までに751件に上ったことを明らかにした。同日開催の新型コロナワクチンの副反応を検討する専門家の合同部会に報告した。7日の前回報告では556件だった。

 751件の内訳は、米ファイザー社製接種後に死亡した事例746件、米モデルナ社製5件。2月17日から接種がスタートしたファイザー社製は11日までに663件、12日から16日までに83件の報告があった。5月22日から接種が始まった米モデルナ社製は11日までに4件、12日から16日までにさらに1件が報告された。

 専門家の評価は、米ファイザー社製が11日までの663件を対象に行われ、因果関係評価αβγのうち「β」(ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの)3件、「γ」(情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの)660件。米モデルナ社製は11日までの4件について行われ、いずれも「γ」だった。

 ちなみに今回「β」とされた米ファイザー社製の3件の詳細は以下の通り。

①93歳男性。5月27日に1回目接種し、6月2日に死亡。高血圧と腹部大動脈瘤の基礎疾患があり、報告医は死因を腹部大動脈瘤とした。ワクチン接種との因果関係について報告医は「評価不能」。ワクチン接種2日後に大動脈瘤が破裂。専門家評価は、7月7日の前回同様「ワクチン接種以前から瘤破裂の切迫状態であり、いつ破裂してもおかしくない状況であった。こうした状況からワクチン接種が原因であるとは考えることは困難である」とした。

②86歳男性。5月24日に1回目接種し、5月26日死亡。認知症、2型糖尿病、低アルブミン血症、貧血の基礎疾患があり、報告医は死因とワクチン接種との因果関係はいずれも「不明」。他要因の可能性として「誤嚥性肺炎」を有りとした。専門家評価は前回同様「誤嚥性肺炎、呼吸停止はβ。血中ブドウ糖減少はγ」とした。

③91歳女性。5月24日に1回目接種し、6月14日死亡。大動脈瘤の基礎疾患があり、報告医は死因を「大動脈瘤破裂」とし、ワクチン接種との因果関係は「不明」とした。専門家評価は7月7日時点では「評価中」だった。

 なお、前回の部会で、初の「α」(ワクチンと症状名との因果関係が否定できない)と評価された事例(80歳女性。5月20日に2回目接種、5月27日死亡。報告医は血小板減少症とくも膜下出血を死因とした。専門家評価は血小板減少症をαと評価)について、21日の専門家評価は「高血圧、基礎疾患が多く、他薬剤も服用してる。ワクチンとSAH(くも膜下出血のこと)の因果関係不明」として「γ」とした。

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