新型コロナ治療の新たな選択肢「カクテル療法」の期待と課題

インド株にも効果が望める(C)ロイター

「カクテル療法というのは、同じ病気に対する複数の薬を混合して使う治療のことで、相加作用によって効果の増強が期待できます。今回、新型コロナウイルスに対して使われるカシリビマブとイムデビマブは、人工的に作られた中和抗体で、お互いの働きを阻害しないものとして選ばれた2種類になります」

 抗体製剤には一般的に「効果が長く続く」という特徴があるという。薬に含まれている抗体は体内で分解されにくいため、それだけ長い時間、血流に乗って全身を循環するためだ。1日に2回あるいは3回投与する必要がなく、1カ月以上にわたって効果が続くタイプもある。また、ウイルスを細胞に取り付かせないため、感染予防としても使えるといわれている。

 さらに、海外の臨床試験では変異株にも効果があると報告されている。新たな治療として大いに期待できそうだが、一方でまだ課題もある。

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