進化する糖尿病治療法

苦労しないで痩せられる? GLP-1ダイエットは是か否か

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 肥満または過体重の2型糖尿病の成人を対象に行われたGLP-1受容体作動薬の臨床試験では、この薬が空腹感を軽減して満腹感を高め、食事量・カロリー摂取量が減り、体重が減少するという結果が出ました。

 現在、世界で使用されているGLP-1受容体作動薬には、多くの種類があります。日本で2型糖尿病治療に対して厚労省の承認を受けているのは、ビクトーザ、バイエッタ、ビデュリオン、リキスミア、トルリシティ(いずれも商品名=以下同)といった複数の自己注射薬、リベルサスという経口薬になります。

 一方、サクセンダというGLP-1受容体作動薬があり、ビクトーザと同じ成分の自己注射薬ですが、対象疾患としているのは糖尿病ではなく、BMI27以上で肥満関連疾患を持つ人、BMI30以上の肥満症の人です。

 サクセンダは日本では承認されていませんが、欧米や韓国などでは承認されています。ダイエット目的でGLP-1受容体作動薬を用いているクリニックでは、「肥満治療薬として世界各国で承認されている」ということから、サクセンダなどを自由診療で出しているのでしょう。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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