医者も知らない医学の新常識

コーヒーを飲めば不整脈が予防できる 米専門誌で最新報告

写真はイメージ
写真はイメージ

 昔は不健康な飲み物の代表であったコーヒーですが、最近の研究により健康に良い効果が次々と報告されています。今では1日3杯程度のコーヒーを飲む習慣は、健康に良い生活習慣として世界中の専門機関においても認められているのです。

 ただ、コーヒーにはカフェインが多く含まれていて、カフェインには心臓を刺激して脈を速くするような作用があります。そのため、コーヒーを飲むことにより不整脈が起こる危険が、以前から指摘されていました。実際に実験で不整脈が起こるのは、大量のカフェインを一気に飲んだ場合だけです。コーヒー3杯程度に含まれるカフェインで、そうしたことが起こるという明確な根拠はないのです。

 今年の米医師会の内科専門誌に、コーヒーと不整脈についての最新の調査結果が報告されています。

 イギリスの大規模医療データを活用して、38万人以上を解析したところ、コーヒーを1杯飲むごとに、不整脈の発生は3%予防されていました。その結果はカフェインに関わる遺伝子の違いとは、関連がありませんでした。

 つまり、コーヒーは1日3杯程度なら不整脈予防にも有効で、その効果はカフェインとは関係のない可能性が高いのです。そうは言っても、心臓の悪い人にはカフェインを含む飲み物はお勧めできませんが、コーヒーは健康な人には不整脈の予防効果もありそうです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

関連記事