医学的検証試験で証明 ワクチン効果を高める「感情日記」のススメ

感情日記は本来持っている感染免疫も高める効果が(写真はイメージ)

「ワクチンには、不眠などの心理ストレスにより効果を失うワクチンブレークと呼ばれる現象が存在します。逆に言うと、ワクチン接種者に心のケアをしたら予防効果を高めることが期待できるのではないか。コロナワクチンでの証明ではないので解釈に注意は必要ですが、その疑問に、この研究結果はひとつの答えを与えるものです」

 ワクチン接種には抵抗があるが、コロナにも感染したくないという人にも感情日記は役立つ可能性がある。感情日記は自分本来の持つ感染免疫も高めるからだ。

「ヘルペスウイルス感染者を無作為に分け、感情日記と感情を含まない日常日記を書かせて比較した研究では、感情日記の群ではウイルス活性の沈静化(抗体量の減少)が認められていたのに対し、日常日記群ではウイルス活性が逆に高まっていたのです」

 感情日記の感染免疫に関する厳密な医学的検証はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)でも同様に行われている。感情日記の群だけに、HIVに対する免疫の主役であるCD4+リンパ球が一貫して増加するという現象が認められ、実際にHIV量も減少していった。

「感情日記は、だれにも詳しく話してこなかった過去の出来事を、できる限り掘り下げて、その時の本音の感情を呼び覚ましながら書くのがポイントです」

 欧米の研究では、1回20分程度を3~4回としているのが多い。そんな感情日記をコロナ対策に役立ててはどうか。

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