最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

リビングに介護ベッド設置 家族と過ごす時間が自然に増えた

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ちなみに一軒家では、2階にご自身の寝室があるケースが多く、介護ベッドが寝室に入らず、結果リビングに入れることも多いのですが、そもそもリビングに介護ベッドを入れることに抵抗感がある患者さんやご家族がいます。

 でも見方を変えれば、リビングは家族が集う場所。自然と患者さんの周りに家族が集まり、患者さんも一緒にテレビを見たり、食事の時間を共にできる。患者さんとご家族が一緒に過ごす時間が増えることにつながります。「最初は抵抗感があったけど、リビングのベッドでよかった」と話すご家族も多いです。

 以前、こんな患者さんがいました。骨髄異形成症候群と慢性心不全を患う75歳男性で、奥さまはパーキンソン病で施設に入所中。大学生のお孫さんと2世帯住宅に同居していました。

 ご本人は元会社経営者で、自分の意見をしっかり意思表示される方。それだけにご本人やご家族の意見を聞きながら「環境調整」を進めました。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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