人生に勝つ性教育講座

世界一有名な画家ゴッホの奇行に唱えられる「梅毒説」

(C)TonyBaggett/iStock

 その後、ゴッホは精神病院や民間療養所で入退院を繰り返しますが、その間に何度も発作が記録され、発作時には絵の具を飲もうとしたり、服毒したりしたようです。そして1890年12月に銃弾を受けた体で帰宅し、2日後に亡くなります。37歳という若さでした。なぜ、彼が銃弾を受けたのかについてはいまだにナゾです。定説は自殺ですが、弾丸の入射角が自殺とは断定しづらいというので、友人が所有する銃が暴発し、その友人をかばうために自殺を装った、などの説もあるそうです。

 ゴッホは1853年にオランダの牧師の家で生まれます。一風変わった子供で癇癪持ちなうえ、ひとりでぷいと遠出する癖があり、一日中昆虫やや空を眺めて過ごすことがあったと言われています。

 16歳で美術商の伯父が経営するグーピル商会に勤めますが、その後に解雇されます。直接の理由は取り消されていたクリスマス休暇を勝手に取ったからということですが、日頃から娼館通いなど素行が悪かったことが影響したと言われています。そこで補助牧師を目指すのですが、これも人間関係のトラブルなどで挫折。ようやく画家になることを決意し、個人的に絵を習ったり、美術学校に行ったりします。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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