1886年にはパリに移住し、弟と同居しながら本格的に作品を描きます。そして2年後の1888年に画家の組合を作ることを目的に、南仏のアルルでゴーギャンと共同生活を始めます。しかしすぐに不仲になり、わずか2カ月で共同生活は破綻します。直接の原因は前述の「耳切り事件」でした。
ゴッホの死後、彼の言動や作品を病気によって説明しようとする試みがなされ、いくつかの説があります。ひとつは「双極性障害」です。そう状態とうつ状態があらわれる病気です。ちなみに「世界双極性障害デー」はゴッホの誕生日である3月30日に設定されています。
「てんかん」説も有力です。精神病院の若い医師や最晩年を送った療養所の病院長が書き残していることが根拠になっています。「統合失調症」説もあります。この病気は主に思春期から青年期にかけて発症し、幻覚や妄想といった精神病症状や意欲・自発性の低下などの機能低下、認知機能低下などを主症状とする精神疾患です。患者の男女比は同じ程度とされますが、男性のほうが重症化しやすいようです。原因はわかっていませんが、脳の神経の発達異常と関わりがあると考えられています。
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