皮膚のお悩み 専門医がスッキリ解決

繰り返す蕁麻疹の多くは原因不明 抗ヒスタミン薬で痒みを抑える

子育て世代の女性にも増えている(C)日刊ゲンダイ

 慢性蕁麻疹の代表的な治療薬は抗ヒスタミン剤です。通常、蕁麻疹が出たら抗ヒスタミン剤を数回、服用するだけで十分な効果が得られるのですが、重症化した場合は、倍量まで処方したり、注射薬を併用することもあります。A子さんの場合は注射治療が効果的で効き目はすぐに表れました。

 ただ、この注射は保険適用でも月に約1.7万円と高額なため簡単には使えません。患者さんが未成年の場合は、保護者の同意が必要です。しかし、日中の集中力が下がってパフォーマンスも下がり、進学、就職にも影響することを想像してもらうと、その価値は計り知れないと思います。

 この注射を月に1回程度打ちます。どれくらいの間注射を打ち続けるのかは、患者さんの症状や状態によって異なりますが、症状が軽くなったら中止や投与間隔の延長を検討します。服用と外用薬に切り替えていきます。A子さんも、この治療法で、今では蕁麻疹に悩まされず、楽しい学生生活を送っています。

 蕁麻疹が繰り返し発生するような方は、原因不明の慢性蕁麻疹を疑って、専門医を訪ねてみてください。

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葉山惟大

葉山惟大

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