最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

上限を超えればそれ以上治療費がかからない「在がん制度」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 これは、食べ放題や携帯電話のかけ放題みたいに、訪問診療と訪問看護のサービスが受け放題となる診療料のプランで、その都度追加される出来高制料金とは異なり、1週間を単位としたパック料金になっています。

 患者さんの自己負担はそれぞれの所得レベルに応じて違いますが、入院するよりも上限額が低く決められているのが特徴といえるでしょう。

 以前こんな患者さんがいらっしゃいました。

 その方は60代後半の胆管がん末期の男性患者さんで、3度の結婚を経験。1回目の結婚で長女と長男、再婚で次男、次女、三女と、お子さんは全員で5人。さらにお孫さんは7人いました。

 入院先から余命1カ月と告知を受け、在宅医療に切り替えることになった当初、ご本人は「自由に家で過ごしたいが、在宅医療費が高額になるのでは」とためらっておられました。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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