そうしたら、先生が一言、「幸子さん、今から手術です」とおっしゃったのです。「え? 私のこれ、なんですか?」と聞いたら「網膜剥離です」と言うのです。それが2019年9月下旬のことでした。
驚いたのはその後です。「4日後にNHKの生放送があるので、それが終わってからじゃダメですか?」と尋ねると、先生はずいぶん考えて「うーん、間に合うかな」とおっしゃったの。ドキッとして「どういうことですか?」と聞いたら、「失明しますよ」と言われたのです。そのときの心境たるや、頭が真っ白になりました。
その日は、先生が譲歩してくださって自宅に帰りました。でも、「水平線から朝日が出るような、夕日が沈むときのようなオレンジ色の絵が見える症状が出たらすぐ来てください」と言われました。で、その翌朝、さっそく朝日が昇っちゃって(笑い)。結局、即手術になりました。
独白 愉快な“病人”たち