独白 愉快な“病人”たち

小林幸子さん網膜剥離を振り返る 医師に「失明しますよ」と言われ頭が真っ白に…

小林幸子(提供写真)

 網膜剥離は、簡単にいえば部屋の壁紙が剥がれたような状態です。手術は2通りを提示されました。ひとつはガスを眼球の中に入れ、ガスの圧力で網膜を張り付ける方法。もうひとつはオイルを注入する方法です。ガス注入のメリットは1カ月ほどでガスが体に吸収されるので1度の手術で終わること。ただし、ガスを入れたら1カ月間は飛行機に乗れません。気圧でガスが膨脹してしまうからです。

 当時はコンサートで全国を回っていましたから、飛行機に乗れなくなるのは困ります。ということで、オイル注入の手術をしました。オイルの場合はオイル抜きのためにもう一度手術をしなければならないのですが、仕方がありません。

 最初の入院は3日間ぐらいでした。術後1日はうつぶせ状態でいなければいけなかったのが一番つらかったですね。

 それでも翌日の夕方には、お化粧をして病院からテレビの収録に出掛けました。それは私のために作っていただいた番組だったので、キャンセルしたくなかったのです。

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