科学が証明!ストレス解消法

ストレスにならない適度な運動が「仕事力」を高める

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 その上で覚えておいてほしい科学的エビデンスがあります。ハンブルク大学のホティングらは運動と記憶の関係を調査する研究(2016年)を行っているのですが、これがとても興味深い。ホティングは、エアロバイクを30分間、「比較的ハードにこいだグループ」と「軽くこいだグループ」、そして「何もせず座っていたグループ」の3つに分けた上で、外国語の単語を暗記してもらうという実験を試みました。

 20分後、24時間後、2日後にそれぞれテストを行ったところ、運動をしていた2つのグループは、何もしなかったグループより成績が良く、特に軽くこいでいたグループが最も単語を覚えていた結果が明らかになったそうです。

 なぜ、ハードにこいだグループより、軽くこいだグループの方が成績が良かったのか?

 面白いことに、激しい運動をしたグループは、神経細胞の発生や成長、維持や再生を促すBDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれるタンパク質が増えた一方、ストレスホルモンであるコルチゾールも上がってしまったそうです。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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