時間栄養学と旬の食材

唐辛子はアドレナリン分泌を促し体温アップ 食欲増進なら朝に

唐辛子

 時間栄養学の視点から考えると、細胞を用いた実験においてカプサイシンの摂取が体内時計に何か影響を与えることはありませんでした。そのため、いつ食べた方がいいということは今のところ言及できませんが、体内時計を正すためには朝食をしっかり取ることが大切なので、これから暑さが厳しくなる中で食欲が落ちてきた朝、唐辛子による食欲増進を期待してもいいかもしれません。

 ただし、過剰摂取は胃腸の炎症を招く原因になるので、食べ過ぎには注意。

 辛さの耐性は個人差がありますが、成人のカプサイシン摂取量限界は食品安全委員会の値によると5ミリグラム/キログラム/日なので、体重60キロの方であれば300ミリグラムが限界です。また、カプサイシンの含有量は鷹の爪だと約0.3~0.7ミリグラム/1本、一味唐辛子が約20.7~149.7ミリグラム/100グラムほどですので参考にしてみてください。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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