あなたを狙う「有毒」動物

ブヨに刺されたら…唾液を吸い出し、水で洗い流し、冷やす

刺されたら、ポイズンリムーバーで毒を吸い出すこと

 痒みの感じ方は体質や年齢によって違ってきますが、人によっては中心に水ぶくれを持つ大きな発疹ができることもあり、掻きつぶすとますます治りが悪くなります。刺されたときの応急処置は、ポイズンリムーバーで毒(ブヨの唾液)を吸い出すこと、きれいな水で洗い流すこと、冷やすことなどです。

 刺されてすぐに43~45度のお湯で温めるという説もあります。熱で毒が失活するため、痒みがある程度抑えられるという理屈です。しかしすでに赤く腫れた状態で温めると、かえって炎症がひどくなるので、あまりやらないほうがいいかもしれません。

 ブヨは暑さに弱いため、いまの時期は日中は活動せず、主に朝夕の涼しい時間帯に飛び回ります。大群を作る習性があり、群れに襲われると全身を何十カ所も刺されることがあります。そうなると単に痒いだけでなく、リンパ管炎といって、手や足のリンパ管に沿って赤いミミズ腫れが生じたり、リンパ節炎(膝、鼠径部、脇などのリンパ節が大きく腫れる)を起こすこともあります。

 キャンプ場などブヨがいそうなところに行く際は、とくに朝夕は皮膚をできる限り露出しないようにし、虫よけスプレーで防御を固めておくことが肝腎です。またブヨは黒っぽい色を好み、白など光を反射する明るい色は苦手と言われていますから、服の色にも注意したほうがいいでしょう。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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