■痒みの原因はアレルギー反応
ノミの吸血は、蚊のそれとかなり似ています。細い針(口吻)を皮膚に突き刺し、血液凝固を防ぐ成分を唾液に混ぜて注入しつつ、血を吸っていきます。痒みの原因も同じで、ノミの唾液に対するアレルギー反応によるものです。しかも、それが4段階に分かれているところまでそっくりです。
第1段階、つまりまだノミに刺されたことがない人は、体の中にはノミの唾液に対する免疫がないため、初めて刺されてもアレルギー反応が起こりません。痛くも痒くもないし、赤い発疹もできません。ところが何度か刺されていると(第2段階)、次第にT細胞やマクロファージがノミの唾液成分を認識するようになり、刺されてから1~2日後に痒みや発疹が生じるようになります(遅延反応)。
さらに進むと(第3段階)、刺された直後から痒くなります(即時反応)。しかしそれを過ぎると(第4段階)IgG抗体が作られるようになって、即時反応が起こるより先にノミの唾液成分が中和されるため、痒みも発疹も起こらなくなるのです。
あなたを狙う「有毒」動物