独白 愉快な“病人”たち

「今なら助かりますよね?」と無意識に…桑野信義さん直腸がん手術を振り返る

桑野信義さん(C)日刊ゲンダイ

■心がダメになると思い抗がん剤を中止

 そんな淡い楽しみも1カ月ほどで終わり、退院後には残りの抗がん剤治療が始まりました。これが、手術前にも増してつらいのです。

 抗がん剤の副作用を和らげるためのステロイド入りの点滴をしてから投与しているのに、お腹の調子は悪いし、吐き気は止まらない……食事ができない、フラフラで歩けない、気持ちもどん底に沈む。

「これを続けていたら、がんではなく心がダメになる」と思ったので、ツアー復帰も考慮して抗がん剤治療をやめる決心をしました。

 医師も「8クールやれば絶対に再発・転移しないとは言い切れないし、ここでやめても再発・転移しない人はいる」と言うので、7月まで続くはずだった抗がん剤治療を4月にやめ、その後は食事中心に改善して免疫力を高める生活を始めました。

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