独白 愉快な“病人”たち

「今なら助かりますよね?」と無意識に…桑野信義さん直腸がん手術を振り返る

桑野信義さん(C)日刊ゲンダイ

 ストーマを閉じたのはこの5月のことです。3カ月間の仮設肛門でしたけど、僕は「ジュニアちゃん」と呼んで可愛がっていたのでお別れは寂しかったです。ただ、3カ月のブランクは意外と大きくて、すぐに元通りとはいきません。肛門からすれば、「おまえ、勝手に人工肛門にしたくせに、今さら戻ってきてなんだよ」ってなもんです。肛門の役割がまだ不十分なので、念のため今もオムツを着けてリハビリ中です。

 40周年ツアーに合流できたのは7月でした。ありがたいステージでしたね。1年の延期もある意味、幸運でした。もしも仕事が順調に入っていたら、検査を受けることもなかったですから……。

 まだ手先や足先のしびれがあるし、リンパ節を取ったせいか左脚の感覚が鈍くて歩きにくい状態です。それでもあれこれ気に病まず、いい意味で開き直って生きることにしました。ノンストレス実践中です。いろいろ不義理していますけど、今は自分が一番。「究極の自己中」をお許しください。

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