では、どうして補聴器と集音器の違いが正しく伝わりづらいのか? それは、補聴器が医療機器なのに対し、集音器が広告表示の制限を受けない電化製品だから。集音器は「30倍よく聞こえる!」「だれにでもフィット!」といった広告も可能ですが、補聴器は、景品表示法や業界の適正広告・表示ガイドラインにのっとって広告をする必要があります。言い換えれば、正しい使い方をしなければ人体に影響があるくらい高い効能効果があり、だから正しく使うために厳しい制限が与えられるのです。
補聴器で生活が改善した70代の男性から、補聴器を持ちながらも使わない同年代のお友達の話を伺う機会がありました。
「友達にね、聞こえないと不便でしょう、着けたら楽しいよって言っても、聞こえなくてもいいって。耳に着けるのが嫌だって。彼には着けてもらいたい。この先の人生が全然違うから」
そう寂しげに語る口調が印象的でした。
補聴器への理解が進み、「補聴器=生活を支える頼もしいパートナー」と考える人が増えることを願っています。
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