しかし現在、超高齢化社会を迎え、社会保障費の高騰という問題が生じたことから、国はその対策として「地域包括ケアシステム」を推進し、在宅医療の普及に注力。看取りの場を再び自宅へ戻そうとしています。
そんな入院と在宅との間で迷われていた患者さんのご家族がいらっしゃいました。
その患者さんは79歳の膀胱がん末期の男性。自宅はご夫婦の住まいと息子さんの仕事場を兼ねており、昼間は息子さんがいるが、夜になると夫婦2人きり。本人は病院嫌いで自宅で過ごしたいが、体調が急変すると奥さまがパニックになって救急車を呼んでしまうこともあったそうです。
私たちの在宅医療が始まったのは、年末が近づいてきた頃。奥さまには「旦那さんの意識が朦朧とし、自分の手に負えないとなった時は、いつでも私たちに連絡してください。お正月でも構いません。すぐに対応します」と丁寧に説明し、安心してもらいました。
最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと