最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

ステーキとワインで家族と忘年会…在宅だからできたこと

写真はイメージ(C)PIXTA

 新年をご家族で迎えられた元日に、頂いた言葉が印象的でした。

「聞いてください、先生」と患者さん。

「昨日はヒレステーキと赤ワインで家族で忘年会をやりましたよ。家族にお疲れさまって言ってね。ヒレステーキ半分は食べましたね。赤ワインも1杯飲んで」

 そして奥さまが、「こんなの(在宅医療)があるの知らなかった。先生は暮れもお正月もなくて大変ね。主人が帰ってきてすごく明るくなって、先生のおかげです。本当によかった」

 それから1カ月余りで、この患者さんは旅立っていきました。

 昔のように、自宅で最期の時間を過ごすことが当たり前になればよいと、切に願っています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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