名医が答える病気と体の悩み

抜け毛に病気が潜んでいることも…病院に行くべき状況とは?

皮膚科医の泉さくら氏(提供写真)

 また、自己免疫疾患として甲状腺のホルモンの機能が低下する「橋本病(慢性甲状腺炎)」や「膠原病(全身性エリテマトーデス)」などで抜け毛が表れるケースがあります。橋本病は、甲状腺ホルモンの分泌が不足することで発症します。甲状腺ホルモンには新陳代謝を促進させる作用があり、皮膚や髪の成長を促します。それが甲状腺ホルモンの分泌が減ることで、髪の生え替わりがスムーズにできなくなるのです。

 膠原病では免疫細胞であるTリンパ球が、何らかの原因で毛根を包む毛包を攻撃することで抜け毛につながることがあります。気になる症状があれば皮膚科に相談しましょう。

▽泉さくら(いずみ・さくら) 2013年琉球大学医学部卒業後、東京大学医学部付属病院皮膚科入局。帝京大学医学部付属病院、東京大学医学部付属病院勤務などを経て、19年にココメディカルクリニック院長就任。

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