■通常の免疫機能では対処できない難治性のタイプが対象
CAR-T療法で承認されている3製剤はすべて血液のがんである「悪性リンパ腫」が対象。肺がんや大腸がんといった臓器や組織にできる固形がんは対象ではない。
悪性リンパ腫の中でも、「再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」「急性リンパ芽球性白血病」「再発または難治性濾胞性リンパ腫」と対象疾患が決められている。3製剤で、対象疾患はやや異なる。対象疾患に該当しても、必須条件がいくつかある。さらにそれらをすべて満たしても、CAR-T療法が受けられない人もいる。
「これまでのヘビーな治療で白血球が採取できない患者さんもいますし、白血球を採取してから治療開始まで時間がかかるため、症状が急変してしまう患者さんもいます。約1年で三十数例ほどCAR-T療法を行いましたが、対象疾患に該当し必須条件を満たす患者さんで、最終的にCAR-T療法まで行き着くのは、3分の1程度という印象です」